大学職員になりたい人が確認しておきたい大学ニュース(大学経営編)
大学職員への就職・転職を目指す際には、近年の大学で実施されている取組みや、大学の先進的な取組みを知っておくと採用試験を進めるうえで有利になる場合があります。
そこで、2024年の大学に関するニュース記事の概要を分野別にまとめ、大学の最新の取組みを確認できるようにいたしました。
エントリーシートなどの応募書類を作成する際の参考にしたり、小論文試験やグループディスカッション試験、面接試験の前などにざっと確認しておくことで、当日の試験の助けになる場合があります。
この記事は「大学経営」に関する記事となりますので、特に、大学の組織運営に興味のある方、大学全体の改革に携わりたい方などは確認しておくとよいと思います。また、大学・短期大学の募集停止の情報もまとめていますので、どのような大学が募集停止になっているかについても知ることができます。
目次
大学改革に関するニュース
・早稲田大、150周年に向け「まちと融合した大学」へ
https://resemom.jp/article/2024/04/22/76898.html
[記事の概要]
早稲田大学は2032年の創立150周年に向けて「Waseda Campus Master Plan2023」を策定しました。新しい計画では「成長するキャンパスから成熟するキャンパスへ」という転換を目指し、教育と研究の質を向上させる「ウェルネス」、多様な主体との協働を促す「オープンイノベーション」、省エネルギーと脱炭素を目指す「ゼロエミッション」という3つの基軸を設定しています。
・大阪大学、経営顧問に元ゴールドマン・サックスの桐谷氏招聘
https://univ-journal.jp/243246/
[記事の概要]
大阪大学は、元ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの桐谷重毅氏を経営顧問として招聘しました。桐谷氏は証券会社や資産運用会社での豊富な経験を活かし、大学の財務基盤強化に助言を提供します。この採用は、大学の中長期的な経営計画「OUマスタープラン」において、経営に関する目標達成を目指す一環です。
・龍谷大学、国内大学初の「ネイチャーポジティブ宣言」発出
https://univ-journal.jp/242644/
[記事の概要]
龍谷大学は、日本の大学としては初めて「ネイチャーポジティブ宣言」を発出しました。この宣言は、生物多様性の損失を食い止め、自然を回復軌道に乗せることを目指しています。2039年度末までの長期計画の一環として、「仏教SDGs」を推進し、教育・研究・社会貢献の各分野で生物多様性にかかる取り組みを行っています。特に「龍谷の森」は、生物多様性の保全が認められた自然共生サイトとして認定されました。この取り組みにより、持続可能な社会の実現に向けて、ネイチャーポジティブを先導する大学としての役割を果たしていくことを目指しています。
・立命館アジア太平洋大学、高校生副学長を募集し新たな改革へ
https://univ-journal.jp/242698/
[記事の概要]
立命館アジア太平洋大学(APU)は、大学改革の一環として高校生特命副学長の募集を開始しました。この取り組みは、米山裕学長の新プラン「Leap Beyond Global」の実現を目指すもので、選ばれた高校生が大学運営に若い世代の視点から提言を行います。募集対象は2024年4月時点で高校1、2年生で、国籍は問われません。選考は書類とプレゼンテーション動画による一次選考の後、オンライン面談によって決定されます。この新プランは、従来の枠を超えた新しい大学のあり方を目指し、高校生や在校生を大学運営に積極的に迎え入れることで、若い世代の意見を反映させることを目的としています。立命館アジア太平洋大学は、高校生に続き、在校生特命副学長の募集も計画しています。
新たな学部・学科の設置や組織再編・大学名称変更等に関するニュース記事
・園田学園女子大学が校名変更し「園田学園大学」へ 2025年4月より順次共学化
https://univ-journal.jp/243816/
[記事の概要]
園田学園女子大学は、2025年4月から「園田学園大学」へと校名を変更し、男女共学化を開始します。この変更により、経営学部と人間教育学部が最初に共学化され、その後の学部も段階的に共学化が進められます。さらに、短期大学部は2025年度から募集を停止する予定です。この変更は、園田学園の新たな教育改革の一環として行われます。
・【大学受験2025】上田女子短大が男女共学化…上田短大に
https://resemom.jp/article/2024/03/12/76382.html
[記事の概要]
上田女子短期大学は2025年4月から男女共学化を実施し、「上田短期大学」に名称を変更します。これは少子化や共学志向の背景によるもので、長野県内では女子大学や女子短大が共学化や統廃合の流れに沿っています。現在の「幼児教育学科」と「総合文化学科」の入学定員は維持される予定です。
・東京家政学院大学が家政系学部を改革 2025年度から「学部改組」「入試改革」「共学化」実施へ
https://univ-journal.jp/242876/
[記事の概要]
東京家政学院大学は2025年度から大規模な改革を行うと発表しました。これには「学部改組」、「入試改革」、そして「共学化」が含まれます。新たに「生活共創学部」が設置され、アサーティブプログラム・アサーティブ入試を導入し、男女共学化を実施します。これらの改革は、学問の多様性と包括性を促進し、長期的な発展を目指しています。
・神戸松蔭女子学院大学が共学化、名称変更し2025年度から「神戸松蔭大学」へ
https://univ-journal.jp/242542/
[記事の概要]
神戸松蔭女子学院大学は、2025年度から「神戸松蔭大学」として男女共学化します。この決定は、女性の地位向上への貢献と、女子大離れや定員割れの現状に対応するためです。1892年設立の同大学は、現在文学部、教育学部、人間科学部を有し、約1,600人の女子学生が在籍しています。共学化に伴い、学科の見直しも行われ、グローバルコミュニケーション学科や新たな人間科学科が設置されます。この変更は、入学者増加を目指し、時代の変化に対応するための一歩として計画されています。
・名古屋女子大学、2025年度から共学化、短大は募集停止へ
https://univ-journal.jp/242338/
[記事の概要]
名古屋女子大学は、学校法人越原学園の理事会で2025年度から男女共学化し、大学名を「名古屋葵大学」に変更することを決定しました。同時に、短期大学部は2025年度以降の学生募集を停止します。この決定は、若者の女子大学や短期大学からの離れが進み、定員割れが深刻化している状況を受けたものです。名古屋女子大学は1915年に名古屋女学校として開校し、1964年に現在の名前になりました。しかし、収容定員に対する充足率が7割足らずとなっており、18歳人口の減少も見込まれる中で共学化を選択しました。新名称の「葵」は、学園創立の地である名古屋市東区葵町にちなんでいます。名古屋女子大学短期大学部は1950年に名古屋女学院短期大学として開設され、1964年に現在の名称になりましたが、今回の共学化に伴い、その歴史に幕を下ろすことになりました。
・関西学院短期大学へ、聖和短大が名称変更し共学化
https://resemom.jp/article/2024/02/14/75882.html
[記事の概要]
聖和短期大学は、2024年4月に関西学院短期大学へ名称を変更し、共学化します。この変更は、千葉武夫現学長の任期満了に伴う学長選挙の結果、碓氷ゆかり教授が次期学長に選出されたことも発表されました。聖和短期大学は、145年にわたり幼児教育・保育分野で幼稚園教諭や保育士を養成してきた伝統ある学校です。2009年に関西学院と法人合併し、過去13年間で約2,000名の保育者を輩出しています。碓氷新学長の専門は病弱児の保育学で、聖和大学大学院で教育学の修士を取得しています。任期は2024年4月1日から2027年3月31日までの3年間です。
大学・短期大学の募集停止に関するニュース記事
・川村学園女子大学 2025年度から教育学部の募集停止へ
https://univ-journal.jp/243775/
[記事の概要]
川村学園女子大学は、2025年度から教育学部の学生募集を停止します。これは、18歳人口の減少や共学志向の流れによる定員割れが続いていたためです。教育学部は1991年に開設され、2024年度の入学定員は120名から70名に減少していましたが、定員を満たすには至らなかったための措置です。
・日本大学短期大学部 食物栄養学科と専攻科食物栄養専攻の学生募集を順次停止へ
https://univ-journal.jp/243755/
[記事の概要]
日本大学短期大学部は、静岡県三島市にある食物栄養学科と専攻科食物栄養専攻の学生募集を順次停止します。2025年度から食物栄養学科の募集を停止し、2026年4月入学生を最後に専攻科も募集を終了します。これは静岡県下の少子化の進行と四年制大学志向の強まりによるものです。
・南九州大学短期大学部、2026年以降の学生募集停止を発表
https://univ-journal.jp/243679/
[記事の概要]
南九州大学短期大学部は、2026年度以降の学生募集を停止することを発表しました。これにより、宮崎県の短期大学は宮崎学園短期大学のみとなります。南九州短期大学部は、59年間地域に貢献してきましたが、社会状況の変化により志願者が減少していました。全学生の卒業までは教学・学生支援を継続します。また、四年制の南九州大学は新学科を設置する計画です。
・高岡法科大学が2025年度以降の学生募集停止を発表
https://univ-journal.jp/243635/
[記事の概要]
高岡法科大学は2025年度から学生募集を停止することを発表しました。この決定は、人口減少と社会状況の変化に伴い、適切な学生数を維持することが困難と判断されたためです。この措置は、学校法人高岡第一学園の理事会で決定され、学内外への適切な説明と卒業生のサポートが続けられます。
・姫路獨協大学、薬学部医療薬学科が2025年度から学生募集停止
https://univ-journal.jp/243262/
[記事の概要]
姫路獨協大学は、2025年度から薬学部医療薬学科の学生募集を停止することを発表しました。この決定は、兵庫県内および近県の薬学部との競争激化、18歳人口の減少、経済状況の変化が影響しています。学部は、2024年4月に入学した学生が卒業するまで教育と学習支援を継続します。
・西南女学院大学短期大学部、2025年から学生募集停止を決定
https://univ-journal.jp/243116/
[記事の概要]
西南女学院大学短期大学部は、2025年度から学生の新規募集を停止することを決定しました。この決定は、18歳人口の減少と4年制大学志向の強まりによる短期大学への志願者減少を受けてのものです。学部は、今後も在籍する学生に対して教育や進路支援を継続し、卒業後のサポートも変わらず提供します。
・ルーテル学院大学、2025年度以降の学生募集停止を決定
https://univ-journal.jp/243082/
[記事の概要]
ルーテル学院大学は、2025年度から学生募集を停止することを決定しました。この決断は、少子化の影響と継続的な経営難によるものです。学院は、現在の学生が卒業するまで教育を継続し、その後もルーテル教会の教育機関として活動を続ける予定です。この変更により、ルーテル学院は教育提供の方法を再考し、将来にわたって持続可能な運営を目指しています。
・熊本の中九州短期大学、志願者減で2025年度から募集停止へ
https://univ-journal.jp/242930/
[記事の概要]
中九州短期大学(熊本県八代市)は、2025年度から学生募集を停止します。若者の4年制大学志向と志願者の減少が続き、短大運営の継続が困難と判断されたためです。この短大は1974年に開校し、これまでに約6,500人の卒業生を輩出してきました。しかし、入学生の充足率が年々低下し、2023年度は定員に対し59人しか入学せず、充足率6割を切りました。短大は経営福祉学科と幼児保育学科の2科を持っていましたが、この募集停止により、熊本県南部では唯一の保育士養成機関がなくなります。
・福岡市筑紫丘の純真短期大学 2025年度から募集停止
https://univ-journal.jp/242955/
[記事の概要]
純真短期大学(福岡市)は、2025年度から新たな学生の募集を停止します。この決定は、志願者および入学者数の減少という近年の社会状況の変化によるものです。学園は1957年に開校し、これまで約14,000名の卒業生を輩出してきましたが、四年制大学への志向の強まりなどにより、短期大学への志願者が全国的に減少しています。2024年度の新入生を最後に、学生募集を停止し、在籍する全ての学生への支援は従来通り行われる予定です。
・足利短期大学、2025年度から学生募集を停止
https://univ-journal.jp/242459/
[記事の概要]
足利短期大学は、2025年度から学生募集を停止することを発表しました。1979年の開学以来、地域の保育人材育成に貢献してきた同大学は、こども学科と看護学科を中心に多くの卒業生を輩出しています。しかし、18歳人口の減少や4年制大学への進学志向の高まりなどにより、今後の学生確保が難しいと判断されました。学校法人は、新入生と在学生への教育活動や進路支援を引き続き行い、卒業後のサポートも責任を持って継続します。足利短期大学附属高等学校及び幼稚園は、校名変更を検討しつつ運営を継続する予定です。
・北星学園大学短期大学部、2025年度以降の学生募集を停止
https://univ-journal.jp/242433/
[記事の概要]
北星学園大学短期大学部は、2025年度以降の学生募集を停止することを決定しました。この決断は、少子化と若者の短大離れによる定員割れが主な理由です。短期大学部には英文学科と生活創造学科があり、過去3年間はいずれも定員割れを続けていました。1951年に北星学園女子短期大学として開学し、2002年に男女共学化した同部は、キリスト教に基づく教育を掲げ、2万人以上の卒業生を送り出してきました。今後、学校法人は4年制の北星学園大学や中学、高校の経営に注力し、キリスト教に基づく教育の推進を続ける予定です。全国的に短期大学部の募集停止が進む中、北海道では旭川市立大学や北海道武蔵女子大学が短期大学部を継続しています。
・姫路日ノ本短期大学、2025年度以降の学生募集停止を決定
https://univ-journal.jp/242343/
[記事の概要]
学校法人日ノ本学園は、2024年2月7日の理事会で、2025年度以降の姫路日ノ本短期大学の学生募集を停止することを決定しました。1974年に開校して以来、49年間で6,525人の卒業生を輩出し、地域社会で幅広く活躍してきました。しかし、18歳人口の減少や4年制大学への志向の高まりなど、短期大学にとって厳しい社会状況が続き、大幅な定員割れが問題となっていました。学園内での議論の結果、学生募集の停止が決定されました。2024年度の入学生および在学生への教育や進路支援は変わらず全力で行われ、学籍簿の管理や証明書の発行などのサポートも継続されます。この決定により、播磨エリアの短期大学は豊岡短期大学姫路キャンパスと兵庫大学短期大学部の2校となります。
・東京都北区の星美学園短期大学、2025年度以降の学生募集を停止
https://univ-journal.jp/242076/
[記事の概要]
学校法人星美学園は、星美学園短期大学(東京都北区)の2025年度以降の学生募集を停止することを決定しました。この決定は、18歳人口の減少と社会情勢の変化により、入学者数が定員割れを続け、財政的な支援が困難になったためです。学園は、短期大学の存続のために様々な可能性を模索してきましたが、最終的に募集停止という決断に至りました。学園は、2024年度入学生を含む在学生が卒業するまで、充実した学生生活を送れるよう支援し、就職支援や進路確保にも誠意を持って対応する予定です。星美学園短期大学は1960年に開校し、幼児保育学科を中心に教育を行ってきました。
・東京経営短期大学を募集停止し、環太平洋大学の学部新設へ
https://univ-journal.jp/242063/
[記事の概要]
学校法人創志学園は、東京経営短期大学(千葉県市川市)を2025年度以降の学生募集を停止し、四年制の環太平洋大学(岡山県岡山市)の学部として発展的に改組することを決定しました。東京経営短期大学は、こども教育学科と経営総合学科の2学科を持ち、1992年の開学以来、5,150人の卒業生を社会に送り出してきました。この改組により、2025年4月からは環太平洋大学の東京キャンパスとして国際経済経営学部の開設を目指します。この変革は、若者の四年制大学志向の高まりに応え、国際的な経済経営教育を展開することを目的としています。東京経営短期大学の在学生に対しては、卒業及び進路決定まで責任を持って教育活動を行い、卒業後の学籍管理や各種証明書の発行などは環太平洋大学東京キャンパスが対応します。
・九州龍谷短期大学、2025年度以降の学生の募集を停止
https://univ-journal.jp/241983/
[記事の概要]
九州龍谷短期大学は、2025年度以降の学生募集を停止することを決定しました。この決定は、全国的に短期大学志願者が激減し、特に九州龍谷短期大学でも定員割れが常態化するなど、厳しい経営状況が続いているためです。学校は四年制大学への改組や学科・コースの変更など、様々な対策を検討しましたが、最近の志願者数の大幅な減少傾向を受け、募集停止の決断に至りました。九州龍谷短期大学は、1952年に開校し、約9,000人の卒業生を輩出してきました。学校は、2024年度入学生および在学生の教育と進路支援に全力を尽くすとしています。また、筑後佐賀エリアでは他の短期大学も募集停止を発表しており、地域の高等教育機関の再編が進んでいます。
・ 【大学受験】奈良佐保短大、2025年度以降の学生募集を停止
https://resemom.jp/article/2024/01/09/75315.html
[記事の概要]
奈良佐保短期大学は、2025年度(令和7年度)以降の学生募集を停止すると発表しました。この決定は、18歳人口の減少や四年制大学への志向などの影響による定員割れが続いていたことによるものです。1931年に開設された同大学は、93年間で約18,000人の卒業生を輩出してきました。2024年度入学生と在学生への教育や進路支援はこれまで通り行われ、卒業後の証明書発行なども支障なく行われる予定です。
その他のニュース
・私学助成金、7法人の不交付や減額を決定…私学事業団
https://reseed.resemom.jp/article/2024/01/31/8063.html
[記事の概要]
日本私立学校振興・共済事業団(私学事業団)は2024年1月30日、2023年度の私立大学等経常費補助金交付内容を決定し、東京福祉大学や福井工業大学など7法人に対して私学助成金の不交付や減額を行うことを発表しました。不交付の措置を受けたのは東京福祉大学を運営する茶屋四郎次郎記念学園で、管理運営の不適正が理由です。減額された学校法人には、福井工業大学の運営法人金井学園が75%減、工学院大学が50%減、桜美林大学の運営法人桜美林学園が25%減などが含まれます。これらの措置は、ガバナンス機能の不全や書類偽造など、各法人の運営に関する問題が主な理由とされています。2023年度の不交付・減額対象は合計10法人となり、正式な決定と発表は3月に予定されています。