大学職員採用試験対策に活用できる各大学のニュース

【2026年最新】追手門学院大学のニュースまとめ|大学職員採用試験のための業界研究

大学職員の採用試験では、現在の大学で実施されている取組や施策への理解度が高いほうが、志望動機やエントリーシートの内容が充実したり、面接試験でも対応しやすくなります。

また、面接試験においては、「最近、大学関連で気になったニュースはありますか」という質問など、直接的に大学のニュースに関する質問があったり、「本学で魅力的に感じる取組はありましたか」「本学でどのような取組に関わりたいですか」など、大学に関するニュースを理解しておくことで対応しやすくなるような質問があります。

そこで、この記事では、追手門学院大学に関するここ数年のニュースを調べ、それぞれのニュースに記載のある取組の概要と、採用する側の視点からのコメントを付けてまとめました。

この記事は追手門学院大学のニュースをまとめておりますが、追手門学院大学の職員採用試験を受験する方だけでなく、大学職員を目指す人の大学業界の理解を深めることのできる内容としております。

この記事の内容

  1. 追手門学院大学とはどのような大学か
  2. 第1章 理工学部の新設と、理系分野への展開
  3. 第2章 大学DXと公式アプリ「OIDAIアプリ」
  4. 第3章 創立60周年と大学経営
  5. 第4章 茨木市を中心とした地域連携
  6. 第5章 研究成果の発信
  7. 第6章 学生の実践と産学連携
  8. 第7章 高大接続と国際交流
  9. まとめ:追手門学院大学の動きをどう読むか

追手門学院大学とはどのような大学か

大学の基本情報

名称追手門学院大学(設置者:学校法人追手門学院)
起源・開学1888年、大阪鎮台司令官の高島鞆之助が大阪偕行社附属小学校を創設。1947年に追手門学院と改称し、1966年4月に経済学部・文学部の2学部4学科で追手門学院大学を開学
学部9学部(文学部、国際学部、心理学部、社会学部、法学部、経済学部、経営学部、地域創造学部、理工学部) ※国際教養学部は募集停止
大学院3研究科(経営・経済研究科、心理学研究科、現代社会文化研究科)
在学生数10,057名(学部9,969名/大学院88名) ※2026年5月1日現在
入学定員(学部)2,443名 ※2026年度
収容定員(学部)9,420名(収容定員充足率105.8%) ※2026年5月1日現在
キャンパス所在地設置学部
茨木総持寺キャンパス大阪府茨木市太田東芝町1番1号全学部の1年次と、文学部・国際学部・法学部・地域創造学部・社会学部・経済学部・経営学部の2年次以上。大学院2研究科、併設の中学校・高等学校も設置
茨木安威キャンパス大阪府茨木市西安威2丁目1番15号心理学部、理工学部(いずれも2年次以上)、心理学研究科
年度入学者数(学部)収容定員(大学全体)在学者数(大学全体)収容定員充足率
2024年度2,363名8,598名8,849名102.9%
2025年度2,611名9,068名9,451名104.2%
2026年度2,684名9,538名10,057名105.4%

「独立自彊・社会有為」 1888年の大阪偕行社附属小学校から続く建学の精神

追手門学院の建学の精神は「独立自彊・社会有為(どくりつじきょう・しゃかいゆうい)」です。1888年、大阪鎮台司令官であった高島鞆之助が、国家有為の人物を育てることを目指して大阪偕行社附属小学校を創設したことが学院の出発点とされています。大学の公式サイトでは、「独立自彊」を他者に惑わされることなく揺るぎなく生きる人物、「社会有為」を偏狭に陥らず学芸の修練によって品性を高め、秩序を守ることのできる人物と説明しています。

小学校から始まった学院が大学を開設したのは1966年で、経済学部と文学部の2学部4学科での開学でした。2026年に創立60周年を迎えた計算になります。小学校・中学校・高等学校・大学を擁する総合学園である点は、後述する高大接続や中高大連携の取組の前提になっています。

近年は建学の精神を現代の言葉に置き換える作業も進めており、大学は「しなやかで、研ぎ澄まされた総合的人間知性を育む」という方針のもと、本質探求力・深い思考力・自律学習力・協働力・情報判断力・課題解決力の6つの力を掲げています。抽象的な理念を、育成する力の一覧として具体化している点が特徴です。

2学部から9学部へ 学部構成の変遷が示す方向性

追手門学院大学の学部構成は、開学以来ほぼ一貫して拡大の方向で組み替えられてきました。1971年に経済学部へ経営学科を増設し、1995年に経営学部と人間学部を設置、2006年に心理学部と社会学部へ改組、2007年に国際教養学部を設置しています。心理学部を独立の学部として置いた大学は当時多くはなく、この時点で文系の領域を細かく分けていく方向がはっきりしていました。

2015年以降の動きはさらに速く、2015年に地域創造学部、2022年に国際学部と文学部人文学科、2023年に法学部法律学科、そして2025年に理工学部を開設しています。10年で4学部を新設した計算になり、しかも2025年の理工学部は開学以来初めての理系学部です。文系総合大学から文理融合の総合大学へという転換を、短期間で実行したことになります。

この転換を人的・組織的に支えたのが、2025年4月に実施した学校法人鉄鋼学園との合併です。産業技術短期大学を運営してきた法人と合併することで、理工系の教員組織と教育の蓄積を取り込みました。学部新設と法人合併を組み合わせるという手法は、大学業界でもそれほど例が多くありません。

受験生に向けて打ち出しているもの アサーティブプログラム・アサーティブ入試

追手門学院大学を語るうえで外せないのが、2014年度に始まった「アサーティブプログラム・アサーティブ入試」です。入試の前段階として、高校生が大学の職員と個別面談を行い、独自開発の学習支援システム「MANABOSS」で学習を進め、そのうえで基礎学力テストと面接による入試に臨むという仕組みです。学力の一点測定ではなく、大学で学ぶ意欲と姿勢を入学前から育てるという設計になっています。

この取組の運営を担っているのがアサーティブ研究センターで、ベネッセ教育総合研究所との共同研究によって、入学後の成績や成長を追跡する検証も行われてきました。文部科学省の大学教育再生加速プログラム(AP)でも取り上げられており、入試改革の先進事例として全国的に知られています。職員が高校生と直接向き合う面談を制度の中核に据えている点は、大学職員を目指す人にとって特に注目すべきところです。

もう一つ、受験生向けに打ち出されているのが「WIL(Work Is Learning)」を掲げた実践型の学びです。茨木総持寺キャンパスには「WILホール」「Academic Ark」「Academic Base」といった名称の施設が置かれ、企業や自治体との協働プロジェクトが正課・正課外の両方で展開されています。この記事の第6章で扱う産学連携の取組は、その具体例にあたります。

2つのキャンパスと、茨木総持寺キャンパスへの集約

キャンパスは大阪府茨木市内に2か所あります。JR総持寺駅から徒歩約10分の茨木総持寺キャンパスと、大阪モノレール宇野辺駅などからバスで向かう茨木安威キャンパスです。もともと大学の本拠地は安威キャンパスでしたが、2019年に総持寺キャンパスを開設し、2025年にかけて機能を段階的に総持寺へ集約してきました。

2022年に起工した新校舎は延べ床面積約44,000平方メートル、地上6階建て・全長約250メートルという大規模なもので、1階に600人収容のホール、6階に事務機能を集約する設計です。総持寺キャンパスに約8,000人が集う拠点をつくるという構想でした。現在は全学部の1年次と多くの学部の2年次以上が総持寺に置かれ、心理学部と理工学部が安威キャンパスを使う配置になっています。

駅からの距離が近いキャンパスに機能を集約することは、受験生の集めやすさ、社会人や地域住民の来訪しやすさ、企業との連携のしやすさに直結します。一方で、既存キャンパスの活用という課題も同時に発生します。追手門学院大学の場合は、安威キャンパスに理工学部を置くことで新設学部の実験・実習スペースを確保するという解き方をしています。

「OIDAIアプリ」と統合データベースという基盤

近年の追手門学院大学を特徴づけているのが、大学公式アプリ「OIDAIアプリ」と、その背後にある学内データの統合基盤です。時間割、休講・補講情報、バスの時刻表、電子学生証、施設予約、入学手続きといった学生生活の入口を一つのアプリに集約し、2026年時点でダウンロード率99%に達しています。

2026年4月には、このアプリに生成AIを使ったアドバイザー機能「OIDAI+」を搭載しました。履修・資格・留学・就職などの領域ごとに特化した9つのAIエージェントが連携して回答を生成するマルチエージェント構成で、大学独自アプリへの実装は国内初とされています。同年7月には、これら一連の取組が日本DX大賞2026の価値創造部門で大賞を受賞しました。

大学のDXというと基幹システムの刷新や業務効率化を指すことが多いのですが、追手門学院大学の場合は「学生体験(CX)を軸にしたDX」という言い方をしています。学生が触れる画面から設計し、そのために必要なデータ統合を後から進めるという順序になっており、この記事の第2章はその経過を時系列で追える構成にしています。

著名な卒業生

文学の分野では、芥川賞作家の宮本輝が追手門学院大学の一期生です。大学は2005年に「宮本輝ミュージアム」を開設し、自筆原稿や愛用品を収蔵して企画展を続けています。開設以来の来場者は延べ約15万人にのぼり、大学の施設が地域の文化資源として機能している例といえます。

研究・技術の分野では、日本アイ・ビー・エムフェローの浅川智恵子が卒業生です。視覚障がい者の移動を支援する「AIスーツケース」の開発を主導してきた研究者で、この記事の第6章で扱う大阪・関西万博での実証実験は、その系譜につながる取組です。評論家の竹村健一も同大学の出身で、英文科の助教授を務めていた時期があります。

スポーツの分野では、ラグビー元日本代表の大畑大介、アーティスティックスイミングでシドニー・アテネ両オリンピックの銀メダリストである巽樹理、リオデジャネイロオリンピック銅メダリストの吉田胡桃・中牧佳南、パラリンピック射撃日本代表の田口亜希などが挙げられます。このうち巽樹理は現在、共通教育機構の准教授として同大学に在籍しており、第4章で扱うシニア向け運動教室の指導を担当しています。卒業生が教員として戻り、地域連携の現場を担っているという構図は、大学の性格を裏づける事実として押さえておくとよいと思います。

この記事の構成

この記事では、追手門学院大学に関する直近のニュースを、次の7つのテーマに分けて30件取り上げます。

  1. 第1章 理工学部の新設と、理系分野への展開(4件)
  2. 第2章 大学DXと公式アプリ「OIDAIアプリ」(6件)
  3. 第3章 創立60周年と大学経営(3件)
  4. 第4章 茨木市を中心とした地域連携(5件)
  5. 第5章 研究成果の発信(4件)
  6. 第6章 学生の実践と産学連携(5件)
  7. 第7章 高大接続と国際交流(3件)

それぞれのニュースについて、実施部局・発信日・出典を示したうえで、「取組の概要」として発表内容を3段落でまとめ、「取組に対するコメント」として、注目した点、実務上の難しさ、大学職員としての視点の3段落を付けています。

第1章 理工学部の新設と、理系分野への展開

(1)開学以来初の理系学部、2025年4月に理工学部4学科を開設(大学全体)

取組の概要

追手門学院大学が、2025年4月に理工学部を開設することを発表しました。1966年の開学以来初めての理系学部で、既存の8学部と合わせて文理融合の総合大学となることを目指すという内容です。

設置されたのは数理・データサイエンス学科(入学定員30人)、機械工学科(同50人)、電気電子工学科(同50人)、情報工学科(同70人)の4学科で、入学定員は合計200人です。キャンパスの配置は、1年次が茨木総持寺キャンパス、2年次以降が茨木安威キャンパスとされています。

背景として示されているのは、加速度的に進むデジタル化と脱炭素の新時代に対応できる技術者を育てるという認識です。この理工学部の設置構想は、文部科学省の「大学・高専機能強化支援事業」にも採択されています。

取組に対するコメント

注目したいのは、文系9学部を積み上げてきた大学が、開学から約60年を経て理系学部に踏み出したという点だと思います。理系学部の新設は、教員の採用、実験・実習設備の整備、実験系の科目に対応した時間割の設計、安全管理の体制づくりなど、文系学部の新設とは必要になる準備の質が違います。文部科学省の機能強化支援事業に採択されている点からも、外部資金を確保したうえで計画的に進めたことがうかがえます。

ただし実務上は、開設後こそが難しい局面です。実験室や工作機械を伴う教育は、施設の保守、消耗品の調達、事故時の対応、化学薬品や高電圧を扱う際の法令対応など、事務部門が継続的に担う業務が一気に増えます。1年次を総持寺、2年次以降を安威という配置も、学生の移動、教員の移動、備品の重複配置といった運用上の負担を生みます。また、理系の教育コストは文系より高く、入学定員200人という規模で採算をどう成立させるかという課題も残ります。

大学職員としては、理工学部の新設を「学部が一つ増えた」という話としてではなく、大学全体の事務体制がどう変わったかという視点で見るとよいと思います。研究支援、産学連携、知的財産、安全衛生といった、文系中心の大学ではそれほど大きくなかった機能が、理系学部の設置によって必要になります。面接で理工学部について語る機会があれば、教育内容の紹介にとどめず、それを支える事務体制の変化にまで触れられると、大学の実務を理解していることが伝わると思います。

(2)理工学部が学科横断PBLを導入、4学科の学生が専門を越えて協働(理工学部)

取組の概要

開設から2年目を迎えた追手門学院大学理工学部の教育設計が紹介されました。中心に据えられているのは「学科横断PBL」で、数理・データサイエンス、機械工、電気電子工、情報工の4学科の学生が、専門の枠を越えて一つの課題に取り組む授業です。

カリキュラムは、1年次に学科混在の授業で基礎知識を学び、2年次に専門分野を深め、3年次以降に学科横断PBLや研究活動へ進むという構成です。PBLで扱う課題は企業や自治体から提供されるものだけでなく、学生自身が課題を発見して企画を立案するケースもあると説明されています。

施設面では、学部専用棟に電子顕微鏡、3Dプリンター、各種の設計ソフトウェアを備え、学習空間には可動式の大型ディスプレイを複数配置してグループワークを支援しています。学部長の佐藤宏介教授は「4学科の学生が専門を越えて協働する点は理工学部の大きな特色です」と述べ、専門性と分野横断性の両立を教育理念として掲げています。

取組に対するコメント

注目したいのは、学科横断PBLを「あとから足した科目」ではなく、1年次の学科混在授業から3年次のPBLへという流れの終着点として設計している点だと思います。新設学部は入学定員を確保するために学科を細かく分ける傾向がありますが、それは同時に学生の視野を狭めるリスクを伴います。この学部は、学科を4つに分けたうえで、横断のための仕組みを最初からカリキュラムに組み込むことでその副作用を抑えようとしています。可動式の大型ディスプレイという設備の選択も、グループワークを前提に空間を設計したことの表れです。

ただし実務上は、学科横断の授業ほど運営が難しいものはありません。4学科の学生が同じ時間に集まれるよう時間割を調整する必要があり、他の必修科目との衝突を避ける作業は毎年発生します。担当教員の割り当ても、どの学科の教員が何コマ持つかという配分の問題になりますし、成績評価の基準を4学科で揃えることも簡単ではありません。企業や自治体から課題を継続的に集めてくる仕事も、担当職員に相当な負荷がかかります。課題の提供元が特定の教員の個人的なつながりに依存すると、その教員の異動で仕組みが止まります。

大学職員としては、PBLを支える裏方の仕事を具体的に想像できるかどうかが問われると思います。連携先の開拓、守秘義務や成果物の権利関係の整理、学外での活動時の保険加入、事故が起きたときの連絡体制。こうした事務を回して初めて授業として成立します。面接で実践型の学びについて語るなら、「学生が主体的に学べる」という一般論ではなく、それを継続させるために大学が何を用意しているかまで踏み込めるとよいと思います。

ここから先は有料でお読みいただけます

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

この記事では、追手門学院大学に関するニュースを全部で30件取り上げ、それぞれに取組の概要と、採用する側の視点からのコメントを付けています。ここから先には、残る28件を掲載しています。

具体的には、理工系教育の基盤を得るために実施した学校法人鉄鋼学園との合併、ダウンロード率99%・満足度96%に達した公式アプリ「OIDAIアプリ」と国内初のマルチエージェント型AIアドバイザー「OIDAI+」、日本DX大賞2026価値創造部門の大賞受賞、延べ床面積約44,000平方メートルの新校舎による茨木総持寺キャンパスへの拠点集約と創立60周年、茨木市教育委員会との国内初の電子図書館連携、室温付近でフッ化物イオンが超イオン伝導する新物質の合成、日本科学未来館の常設展示に採用されたスイッチロボット「ぽっちゃん」、大阪・関西万博での「AIスーツケース」実証実験まで、追手門学院大学の性格がよく表れた取組を扱っています。

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