大学職員の採用試験では、現在の大学で実施されている取組や施策への理解度が高いほうが、志望動機やエントリーシートの内容が充実したり、面接試験でも対応しやすくなります。
また、面接試験においては、「最近、大学関連で気になったニュースはありますか」という質問など、直接的に大学のニュースに関する質問があったり、「本学で魅力的に感じる取組はありましたか」「本学でどのような取組に関わりたいですか」など、大学に関するニュースを理解しておくことで対応しやすくなるような質問があります。
そこで、この記事では、九州大学に関するここ数年のニュースを調べ、それぞれのニュースに記載のある取組の概要と、採用する側の視点からのコメントを付けてまとめました。
この記事は九州大学のニュースをまとめておりますが、九州大学の職員採用試験を受験する方だけでなく、大学職員を目指す人の大学業界の理解を深めることのできる内容としております。
この記事の内容
- 九州大学とはどのような大学か
- 第1章 総長交代と大学経営の基盤(4件)
- (1)次期総長候補者に赤司浩一氏を選出(総長選考・監察会議)
- (2)信用格付で「AAA」を更新(企画部企画課)
- (3)2026年度の業務DX推進プロジェクトが始動(業務DX推進部門)
- (4)大学経費の不正使用を公表(総長名による公表)
- 第2章 寄附とネーミングライツによる財源の多角化(5件)
- (1)ロバート・ファン氏を総長特別顧問に迎え、エンダウメント型基金の発展へ(九大基金)
- (2)名誉教授からQPS研究所の株式200万株の寄附契約を締結(総務部同窓生・基金課)
- (3)株式13万株の寄附で「リックス・安井留学支援基金」を創設(国際部留学課)
- (4)イーストゾーン大講義室に「鈴与みらいホール」が誕生(財務部財務企画課)
- (5)春日市とふるさと納税による連携を開始(筑紫キャンパス所在地との連携)
- 第3章 箱崎跡地とキャンパスの将来像(4件)
- (1)箱崎キャンパス跡地の土地利用事業者が決定(統合移転推進部)
- (2)箱崎に残る全ての近代建築物群が国の登録有形文化財に(施設部施設企画課)
- (3)カーボンニュートラルキャンパス施設整備計画を策定(施設部施設管理課)
- (4)筑紫キャンパスの有効活用に向けて意見を集める(筑紫地区事務部)
- 第4章 学部・大学院教育の再設計(4件)
- (1)学部から大学院まで通貫する「次世代博士人材育成コース」と新入試を導入(学務部学務企画課)
- (2)共創学部と英国グラスゴー大学による学部レベルのジョイント・ディグリー・プログラム(学務部基幹教育・共創学部課)
- (3)大学院人文情報連係学府を2025年4月に開設(人文社会科学系事務部学務課)
- (4)全学部生を対象とする「グローバルプロフェッショナル認定制度」(国際教育ナビゲーションセンター)
- 第5章 研究組織の再編と拠点づくり(4件)
- (1)3つの研究センターを統合し「サステナブル水素研究所(HYDROGENIUS)」を設立(I2CNER・Q-PIT共通事務支援室)
- (2)「時空量子連携研究機構」を発足(大学院理学研究院)
- (3)AI for Scienceの計算資源の増強に採択、4大学で覚書を締結(情報システム部情報基盤課)
- (4)熊本県・熊本大学と半導体分野の包括連携協定を締結(本部)
- 第6章 産学官連携と地域の課題解決(4件)
- (1)「九州サイエンスパーク形成先導拠点」の開所式典を開催すると発表(筑紫キャンパス)
- (2)文部科学省「産学連携リ・スキリング・エコシステム構築事業」に採択(九大OIP株式会社)
- (3)JR九州と秋月地区を起点とした地域づくりの連携協定を締結(工学研究院)
- (4)糸島市・昭和自動車・トヨタ・モビリティ基金と4者連携協定を締結(大学院工学研究院)
- 第7章 国際化戦略と同窓生ネットワーク(5件)
- (1)留学・国際情報のポータルサイト「Navigate the Globe」を開設(国際教育ナビゲーションセンター)
- (2)第1回グローバル化アドバイザリーボードミーティングを開催(本部)
- (3)イリノイ大学・国立台湾大学との3大学連携で7つの国際共同プロジェクトが始動(国際部国際企画課)
- (4)アントワープ大学との博士課程ジョイント・ディグリープログラムを開始(総合理工学府)
- (5)アラムナイプラットフォーム「Kyudai PAL」の運用を開始(総務部同窓生・基金課)
- まとめ:九州大学の動きをどう読むか
九州大学とはどのような大学か
大学の基本情報
表1 基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 九州大学(設置者:国立大学法人九州大学) |
| 起源・開学 | 1911(明治44)年に九州帝国大学として創立(東京・京都・東北に次ぐ4番目の帝国大学)。1949年に新制の九州大学となる |
| 学部 | 共創学部・文学部・教育学部・法学部・経済学部・理学部・医学部・歯学部・薬学部・工学部・芸術工学部・農学部(12学部) |
| 大学院 | 18学府(法科大学院を含む)と2つの連係学府(人文情報連係学府・マス・フォア・イノベーション連係学府)。教員組織として16の研究院を置く「学府・研究院制度」 |
| 総長 | 赤司浩一(第25代、2026年10月1日就任。任期は2032年9月30日まで) |
| 在学生数 | 19,005名(うち学部11,630名、大学院7,375名) ※2026年5月1日現在 |
| 入学定員(学部) | 2,549名 ※2026年5月1日現在 |
| 収容定員(学部) | 10,593名(収容定員充足率109.8%) ※収容定員は学部通則による |
| 教員数 | 2,114名(教授694名、准教授657名、講師119名、助教639名、准助教等5名) ※2026年5月1日現在 |
| 職員数 | 2,533名(事務職員962名、医療職員1,264名、その他技術職員等307名) ※2026年5月1日現在 |
| 法人の位置づけ | 指定国立大学法人(2021年11月指定) |
※在学生数・入学定員は「九州大学概要2026」の学生定員及び在籍学生数(2026年5月1日現在)、教員数・職員数は同じく教職員数(2026年5月1日現在)に基づきます。収容定員は九州大学学部通則の学生定員の表によるもので、収容定員充足率は2026年5月1日現在の学部在学生数をこの収容定員で割って算出しました。
表2 キャンパス
| キャンパス | 所在地 | 設置学部 |
|---|---|---|
| 伊都キャンパス | 福岡県福岡市西区元岡744 | 文学部・教育学部・共創学部・法学部・経済学部・理学部・工学部(融合基礎工学科の3年次以降を除く)・農学部、芸術工学部・医学部・歯学部・薬学部の1年次 |
| 病院キャンパス | 福岡県福岡市東区馬出3-1-1 | 医学部・歯学部・薬学部(2年次以降)、九州大学病院 |
| 大橋キャンパス | 福岡県福岡市南区塩原4-9-1 | 芸術工学部(2年次以降) |
| 筑紫キャンパス | 福岡県春日市春日公園6-1 | 工学部融合基礎工学科(3年次以降)、総合理工学府など |
※このほかに別府キャンパス(大分県別府市)と箱崎サテライト(福岡市東区)があります。
表3 直近3年の入学定員充足率(学部)
| 年度 | 入学定員 | 入学者数 | 入学定員充足率 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 2,549名 | 2,609名 | 102.4% |
| 2025年度 | 2,549名 | 2,594名 | 101.8% |
| 2026年度 | 2,549名 | 2,601名 | 102.0% |
※入学定員(募集人員)と入学者数は、「九州大学概要」2024年度版・2025年度版・2026年度版の学部入学状況(各年4月1日現在)の合計です。充足率は入学者数を入学定員で割って算出しました。
4番目の帝国大学から伊都キャンパスへ
九州大学は、1911(明治44)年に、東京・京都・東北に次ぐ4番目の帝国大学である九州帝国大学として創立されました。1919年に医学部・工学部・農学部の体制となり、1924年に法文学部、1939年に理学部が置かれています。1947年に九州大学へ改称し、1949年に新制の九州大学として法学部・経済学部・文学部・教育学部を設置しました。
その後、1964年に薬学部、1967年に歯学部を設置し、2003年には九州芸術工科大学と統合して芸術工学部が加わりました。2004年に国立大学法人となり、2018年には共創学部を設置しています。2011年に創立百周年を迎え、2021年11月には文部科学省から指定国立大学法人に指定されました。
キャンパスの面では、2005年に伊都キャンパスが開校し、長年本拠地としてきた箱崎キャンパスからの統合移転が進められ、2018年に伊都キャンパスが完成しました。箱崎キャンパスの跡地では、2026年3月に土地利用事業者が決まり、新しいまちづくりが始まろうとしています。
12学部と「学府・研究院制度」
学部は、共創学部、文学部、教育学部、法学部、経済学部、理学部、医学部、歯学部、薬学部、工学部、芸術工学部、農学部の12学部で、学部の入学定員は合計2,549名です。最も規模が大きいのは工学部で、入学定員は778名と全体の約3割を占めています。
大学院では、教育組織である「学府」と、教員が所属する研究組織である「研究院」を分ける「学府・研究院制度」を採っています。学府は法科大学院を含む18学府に加え、複数の学府が連係して教育を行う人文情報連係学府とマス・フォア・イノベーション連係学府があり、研究院は16あります。
2026年5月1日現在の在学生数は、学部11,630名、大学院7,375名の計19,005名です。教員は2,114名、職員は2,533名で、職員のうち約半数を九州大学病院などで働く医療職員が占めていることも、この大学の特徴の一つです。
受験生に向けて打ち出しているもの
九州大学は、2021年11月に「Kyushu University VISION 2030」を策定し、「総合知で社会変革を牽引する大学へ」というビジョンを掲げています。指定国立大学法人の指定申請を契機に、若手の教職員も参加した全学的な議論を経てまとめられたものです。
VISION 2030では、社会課題の解決に向けて、脱炭素、医療・健康、環境・食料といった領域に重点的に取り組むことが示されています。第3章で取り上げるカーボンニュートラルキャンパスの計画や、第5章の水素研究所の設立は、このビジョンに沿った動きです。
受験生に向けては、学部から博士課程までを通した「次世代博士人材育成コース」と「次世代研究者発掘入試」の導入や、全学部生を対象とした「グローバルプロフェッショナル認定制度」など、研究大学・国際的な大学としての学びの機会を打ち出しています。
伊都を中心とする複数のキャンパス
キャンパスは、本部と大半の学部が置かれる伊都キャンパス(福岡市西区)を中心に、医学部・歯学部・薬学部と九州大学病院がある病院キャンパス(福岡市東区)、芸術工学部の大橋キャンパス(福岡市南区)、工学部融合基礎工学科の3年次以降などが学ぶ筑紫キャンパス(春日市)があります。
このほかに、大分県別府市の別府キャンパスと、旧箱崎キャンパスの歴史的建造物を生かした箱崎サテライトがあります。箱崎サテライトでは、旧九州帝国大学の正門や塀を含む近代建築物群が国の登録有形文化財になっています。
伊都キャンパスは福岡市と糸島市にまたがる郊外型のキャンパスで、周辺では水素燃料電池バスが運行されるなど、研究成果の実証の場としても使われています。筑紫キャンパスでは、所有地の有効活用や、産学連携拠点の整備が進められています。
教育・学生生活の特色
教育面では、全学の教養教育を担う基幹教育院を置き、学部の枠を超えた学びを提供しています。2018年に設置された共創学部は、既存の学問分野の枠を超えたカリキュラムと留学の必須化を特徴としており、2028年10月には英国グラスゴー大学とのジョイント・ディグリー・プログラムを始める予定です。
国際面では、留学・国際情報のポータルサイト「Navigate the Globe」を開設し、学部や部局ごとに分かれていた海外派遣プログラムの情報を一か所に集めています。卒業生の寄附による「リックス・安井留学支援基金」など、留学を経済面から支える仕組みも整えられています。
課外活動では、旧帝国大学7校による全国七大学総合体育大会(七大戦)に参加しているほか、学園祭として九大祭と芸工祭が開催されています。2025年には同窓生と在学生をつなぐアラムナイプラットフォーム「Kyudai PAL」の運用も始まりました。
著名な卒業生・卒業生ネットワーク
大学の公式サイトで紹介されている卒業生・修了生としては、大学院人間環境学府を修了し、建築士として働きながら執筆を続け、2026年1月に「時の家」で第174回芥川賞を受賞した鳥山まこと氏がいます。大学関係者としては約70年ぶりの芥川賞受賞とされています。
経済界では、1968年に工学部を卒業し、米国でSYNNEX Corporationを創業したロバート・ファン氏がいます。同社は2021年にTech Dataと合併してTD SYNNEXとなりました。ファン氏は総額3億円を超える寄附で母校を支え、2025年12月には総長特別顧問に就任しています。
このほか、法学部を卒業した安井玄一郎氏と、工学系で学んだ安井龍之助氏(いずれもリックス株式会社の元社長)は、株式の寄附によって「リックス・安井留学支援基金」を創設しました。第2章では、こうした卒業生による支援の広がりを取り上げています。
この記事の構成
この記事では、九州大学に関するニュースを30件取り上げ、内容ごとに7つの章に分けています。章立ては、第1章「総長交代と大学経営の基盤」(4件)、第2章「寄附とネーミングライツによる財源の多角化」(5件)、第3章「箱崎跡地とキャンパスの将来像」(4件)、第4章「学部・大学院教育の再設計」(4件)、第5章「研究組織の再編と拠点づくり」(4件)、第6章「産学官連携と地域の課題解決」(4件)、第7章「国際化戦略と同窓生ネットワーク」(5件)です。
それぞれのニュースには、実施部局・発信日・出典を示したうえで、「取組の概要」と「取組に対するコメント」を付けています。コメントは、採用する側の視点から、その取組のどこに注目すべきか、実務として何が難しいのか、大学職員としてどう関わることになるのかという順で書いています。
取り上げたニュースの対象期間は、2024年1月から2026年7月までの約2年半です。各章を通じて、大学経営、財源、キャンパス、教育、研究、産学官連携、国際化という九州大学の主要な運営領域を確認できます。
第1章 総長交代と大学経営の基盤(4件)
最初の章では、2026年10月の総長交代と、それを支える大学経営の土台に関するニュースを取り上げます。総長の選考、財務の外部評価、事務の業務改革、そして経費の不正使用という足元の課題まで、法人としての九州大学の姿が見える4件です。
(1)次期総長候補者に赤司浩一氏を選出(総長選考・監察会議)
- 実施部局:九州大学総長選考・監察会議
- 発信日:2026年2月19日
- 出典:九州大学 公式サイト
取組の概要
九州大学の総長選考・監察会議は、2026年2月19日、次期総長候補者として副学長・特任教授の赤司浩一氏を選出しました。任期は2026年10月1日から2032年9月30日までの6年間で、再任はできない仕組みです。選出後には記者会見も行われ、略歴や所信表明書は総長選考のページで公表されています。
赤司氏は1985年に九州大学医学部を卒業した内科の医師で、米国スタンフォード大学やハーバード大学の関連機関で研究に従事した経歴を持ちます。九州大学では2018年4月から4年間、病院長を務め、2020年から副学長、2023年から医学部長を務めてきました。
前総長の石橋達朗氏は2020年10月から2026年9月まで在任し、「Kyushu University VISION 2030」のもとで大学運営を進めました。赤司氏は2026年10月1日に第25代総長へ就任し、指定国立大学法人としての改革を引き継いでいます。
取組に対するコメント
国立大学法人の総長は、教育研究の責任者であると同時に法人の経営責任者でもあります。任期6年・再任なしという仕組みは、1人の総長が在任中に何を仕上げるのかを明確にさせる設計だと考えられます。新総長の所信表明書は、今後の大学の重点を知るうえで最初に読むべき資料だといえます。
総長の交代期には、中期計画の途中で方針の重点が変わることがあります。事務組織は、前総長のもとで進めてきた事業を止めずに継続しながら、新しい総長の方針に合わせて予算や組織の組み替えを準備する必要があり、この移行の段取りは実務上かなり負荷が大きい仕事です。
面接では、「新しい総長の所信表明を読み、どの方針に関心を持ったか」を具体的に話せると、志望度の高さが伝わりやすいでしょう。九州大学を受験する方は、赤司氏の所信表明書と、石橋前総長のもとで策定されたVISION 2030の両方に目を通したうえで、自分がどの事業に関わりたいかを整理しておくことが有効です。
(2)信用格付で「AAA」を更新(企画部企画課)
- 実施部局:企画部企画課
- 発信日:2025年3月24日
- 出典:九州大学 公式サイト
取組の概要
九州大学は、株式会社日本格付研究所(JCR)から、「AAA(見通し:安定的)」の格付を取得しました。2006年3月に初めて格付を取得して以来、今回で16回目の更新となります。
大学は、今回の格付について、施策を継続的に進めていくための基盤である、財務を含む大学経営の状況が適正に評価されたものだと説明しています。
あわせて、九州大学は世界最高水準の教育研究拠点の構築に向けて、総長のリーダーシップのもとでさまざまな施策を展開していることを示しています。格付は、大学の外部から見た信用力を示す指標として、継続して取得されています。
取組に対するコメント
信用格付は、企業であれば社債を発行するときなどに使われる指標です。国立大学法人が20年近く格付を取得し続けていることは、国からの運営費交付金に頼るだけでなく、外部から資金を調達したり、取引先や寄附者に財務の健全さを示したりすることを意識した経営をしている表れだと読み取れます。
格付の更新には、財務データの整理や、経営方針の説明資料の作成、格付機関とのやり取りが毎年必要になります。財務部門と企画部門が連携して、数字と戦略を一つのストーリーとして説明する力が求められる仕事です。
大学職員を目指す人にとっては、「大学も経営体として外部から評価されている」という視点を持っていることが大切です。面接で財務や経営に関心があることを伝える際に、この格付の話題を具体例として挙げると、大学経営への理解の深さを示しやすいと考えられます。
(3)2026年度の業務DX推進プロジェクトが始動(業務DX推進部門)
- 実施部局:業務DX推進部門(情報システム部・総務部総務課)
- 発信日:2026年6月3日
- 出典:九州大学 DX推進サイト(九州大学 公式サイト)
取組の概要
九州大学は、2026年度の「九州大学業務DX推進プロジェクト」の活動を開始しました。このプロジェクトは、複雑化・肥大化した業務プロセスの標準化とシンプル化を目的とし、業務の効率化、教員の研究時間の確保、学生サービスの向上につなげることをめざしています。
2026年度は31名のDX推進オフィサーが参加し、「オンライン化」「情報伝達方法改善」「窓口業務改善」「業務フロー自動化」「バックオフィスデータ連携」「DX人材育成・企画広報」の6つのユニットを編成しています。メンター制度を設け、統括技術部の職員2名が技術面の助言にあたる体制です。
このプロジェクトは2023年度に学内公募による実践型プロジェクトとして始まり、2024年度以降は事務局と部局の事務部が協働して進めるプロジェクトとして展開されてきました。
取組に対するコメント
このニュースで注目したいのは、DXを情報部門だけの仕事にせず、事務職員を「DX推進オフィサー」として組織横断で動かしている点です。窓口業務やバックオフィスのデータ連携など、テーマが現場の業務そのものであることから、事務職員が主役のプロジェクトだと読み取れます。
業務改善は、システムを入れるだけでは進みません。部局ごとに異なる手続きや慣行を標準化するには、関係する部署の合意を取りながら、既存の業務を止めずに切り替える必要があります。大規模な総合大学ほど部局の独自性が強く、調整の難しさも大きくなるといえます。
面接では、「前職で業務のムダを見つけて改善した経験」を、このプロジェクトと結び付けて話すと効果的でしょう。大学職員の仕事は定型業務のイメージを持たれがちですが、九州大学では職員自身が業務の設計を変える役割を担っていることを理解したうえで、自分の経験を語れることが有効です。
(4)大学経費の不正使用を公表(総長名による公表)
- 実施部局:本部(総長名による公表)
- 発信日:2025年2月13日
- 出典:九州大学 公式サイト
取組の概要
九州大学は、2025年2月13日、大学経費の不正使用について総長名で公表しました。対象は、2015年4月から2022年3月まで、報道機関からの出向で法学研究院の寄附講座を担当していた元教員です。
公表によると、元教員はセミナーやイベントなどに参加するために出張したと偽って旅費を架空請求し、約238万円を不正に受け取っていました。また、大学に出勤していない日を出勤したと偽り、給与の一部を不正に受給していたことも認定されています。
大学は元教員に対して約238万円の返還を求めるとともに、学内の規程に基づいて適切に対処し、再発防止に取り組む方針を示しています。
取組に対するコメント
採用試験の業界研究では、大学の前向きなニュースだけでなく、こうした不祥事の公表にも目を通しておくことが大切です。この事案は、出張旅費と勤務管理という、事務部門がチェックしている領域で起きた不正である点に注目すべきだと読み取れます。
出張の事実確認や出勤状況の確認は、件数が多いうえに、教員の研究活動の自由を尊重する必要もあり、すべてを細かく確認するのは容易ではありません。寄附講座のように外部から来た人材が関わる場合は、所属や管理の責任の所在があいまいになりやすい点も難しさの一つです。
大学職員は、研究者を支える立場であると同時に、公的な資金を適正に執行する責任を負う立場でもあります。面接で「経理や総務の仕事で大切にしたいこと」を聞かれたときに、支援と統制のバランスという観点で自分の考えを述べられるよう準備しておくことが有効です。
第2章 寄附とネーミングライツによる財源の多角化(5件)
第2章では、九州大学が運営費交付金以外の財源を広げようとしている動きを取り上げます。卒業生からの大口の寄附や株式の寄附、施設の命名権、自治体と連携したふるさと納税など、手法の幅が広いことが特徴です。
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ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
この記事では、九州大学に関するニュースを全部で30件取り上げ、それぞれに取組の概要と、採用する側の視点からのコメントを付けています。ここから先には、残る26件を掲載しています。
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