駒澤大学の職員採用試験に向けて、大学の特徴と近年の取組を公式資料から整理します。2026年10月21日までに確認した30件のニュースを7章にまとめました。
目次
- 駒澤大学はどのような大学か
- 第1章 学生参画と教育改善
- 第2章 産学連携と実践型教育
- 第3章 地域社会と課題解決
- 第4章 協定校・地域を結ぶ国際交流
- 第5章 情報研究と社会実装
- 第6章 文化資源と人文学の実地教育
- 第7章 学生支援・キャリア・大学職員の仕事
- まとめ
駒澤大学はどのような大学か
行学一如を掲げる仏教・禅の総合大学
駒澤大学の源流は、曹洞宗が禅の実践、仏教研究、漢学振興のために設けた学林にあり、1592年以前までさかのぼります。1925年に大学令による駒澤大学となり、現在も仏教の教えと禅の精神を教育研究の基盤に置いています。
建学の理念を表す「行学一如」は、自らを高める学びと、それを慈しみの心で社会に生かす実践は一体であるという考え方です。大学職員の業務でも、理念を式典の言葉にとどめず、授業、学生支援、社会連携、組織運営の判断軸へ具体化できるかが重要になります。
7学部17学科と大学院9研究科15専攻
学部は仏教学部、文学部、経済学部、法学部、経営学部、医療健康科学部、グローバル・メディア・スタディーズ学部の7学部17学科で構成されます。大学院は法科大学院を含む組織数として9研究科15専攻を置きますが、法科大学院は2023年度以降の学生募集を停止しています。仏教・人文社会科学から診療放射線、情報・メディアまで幅広い分野を持つ総合大学です。
学部4年間は主に駒沢キャンパスで学びます。多数の分野が同じキャンパスに集まることは、全学共通科目や学部横断企画を展開しやすい一方、約1万5千人の学生に対して教務、学生支援、施設、情報システムを安定運用する組織力も求めます。
受験生に向けて打ち出しているもの
受験生サイト「think! by 駒澤大学」と大学公式サイトでは、大学の理念を抽象的に紹介するだけでなく、初年次教育、ワンキャンパス、分野横断、実践学修、キャリア支援へ落とし込んで示しています。主な打ち出しは次の5点です。
これらは、入学前に抱く大学像と、入学後に経験する授業・支援をつなぐ情報として読むことができます。建学の理念、学部の専門、教養教育、社会との接点、卒業後の進路が別々の紹介にならず、4年間の成長過程として組み立てられていることが特徴です。オープンキャンパスや受験生サイトで示した約束を、履修案内、相談窓口、授業改善、キャリア支援で実現できているかが大学への信頼を左右します。大学職員志望者にとっては、入試広報が魅力を伝えるだけでなく、教務、学生支援、キャリア、卒業生連携の実態と一致しているかを検証し、学生の期待とのずれを改善する仕事まで含むことが重要な観察点になります。情報公開後の検証までが広報の仕事です。
①新入生セミナーと日本語リテラシー教育
高校までの「学習」から大学で主体的に取り組む「学修」へ移行するため、新入生セミナーを設けています。必修科目の中で文章の読解・作成能力を高める取組も示され、レポート、資料調査、議論といった大学で必要な基礎を専門教育の入口で支えます。入学者を集めるだけでなく、入学後のつまずきを減らす初年次教育まで受験生へ見せている点が具体的です。
受験生サイトでは、講義を受け身で聞くのではなく、問いを立て、根拠を集め、自分の考えを文章や発表で示す大学の学びへ転換することが強調されています。学部ごとの専門へ進む前に、図書館や情報環境の使い方、他者との議論、レポート作成を身につける設計は、学生の所属感と学修継続を支える仕組みでもあります。職員の視点では、入学前教育、初年次科目、学修相談、図書館ガイダンスを分断せず、成績やアンケートから早期支援が必要な学生を把握する連携が重要です。
掲載サイト:受験生サイト「学びの特徴」
②7学部17学科が集まるワンキャンパス
受験生サイトは、7学部17学科の学生が4年間を駒沢キャンパスで過ごす「ワンキャンパスの強み」を掲げています。学部・学年を越えて人や知識が交わり、東京を学びの舞台にできる環境を特色としています。実際に全学共通科目や学生FD、社会連携プロジェクトなど、所属学部だけに閉じない参加機会が設けられています。
同じキャンパスに仏教、人文、社会科学、医療、情報・メディアの学生と教員が集まるため、他学部科目、教養ゼミ、課外活動、公開企画を通じて異なる価値観に触れやすいことも具体的な利点です。一方で、約1万5千人が利用する教室、窓口、食堂、図書館、ネットワークの混雑や、時間割の競合を抑える運用力が教育環境を左右します。受験生向けの「交流しやすさ」を実際の学修成果へ変えるには、学部横断科目の履修案内と施設・情報システムの安定運用が不可欠です。
掲載サイト:受験生サイト「学びの特徴」
③仏教と人間、教養ゼミ、データサイエンス・AI
全学共通科目は、教養教育、宗教教育、外国語、保健体育の4群から構成されます。必修科目「仏教と人間」では仏教・禅を学問的に参照しながら人生や社会を考え、教養ゼミでは異なる学部・学年の学生が共通テーマに取り組みます。さらにデータサイエンス・AI教育プログラムを置き、伝統的な理念と現代の情報活用能力を同じ教育体系の中で扱っています。
人文・社会・自然・ライフデザインにまたがる教養を専門分野の土台とし、外国語、情報リテラシー、数理・データ活用を組み合わせる構成です。「科学とアートの融合」を扱う教養ゼミや、文化財でのプロジェクションマッピングのように、知識を作品や発表へ変える取組もあります。大学職員には、理念科目と実用的能力を別々に広報するのではなく、教育課程、履修モデル、学修成果の関係を受験生と在学生へ分かりやすく示す役割があります。
掲載サイト:全学共通科目
④社会と接続するPBL・産学官連携
ニュースには、三茶ワークカンパニーと行うビジネスプランコンテスト、株式会社日祥の次世代型実践インターンシップ、世田谷区選挙管理委員会との出前授業などが見られます。学生が企業・行政・地域の課題を扱い、企画、提案、実施、振り返りまで経験する点は、「行学一如」を現在の実践教育として示す具体例です。
ビジネスプランコンテストでは、学生が日常の不便から顧客と収益モデルを考え、実務家のフィードバックを受けて提案を磨きました。次世代型実践インターンシップでは、営業メール、提案資料、顧客訪問、商談まで社員と同じ流れを経験しています。選挙の出前授業では、政治学の学びを小学生の主権者教育へ還元しました。企業成果、地域貢献、学生の学修評価を同時に成立させるため、大学側には協定、守秘義務、安全、知的財産、振り返りを設計する専門的な支援が求められます。
掲載サイト:アントレプレナーシップ養成講座のPBL/次世代型実践インターンシップ/世田谷区選挙管理委員会との出前授業
⑤学生に近い支援と卒業後まで見据えたキャリア形成
キャリアセンターは個別相談に加え、WEB資格講座、就職ゼミ、エアライン・マスコミ講座、就職支援システム「駒キャリ」、インターンシップを案内しています。公認のオンラインOB・OG訪問サービスも導入し、卒業生や内定した先輩と学生を結びます。学業成績優秀者奨学金の拡充、同窓会奨学金、新入生向けキャリア教育と合わせ、学修、生活、就職を段階的に支える構成です。
新入生向けの『駒大の先輩』を囲む会では、卒業生が大学時代に必要なことを語り、在学生が履修、サークル、ゼミを説明しています。学業成績優秀者奨学金は各学部学科・各年次上位5人へ拡充され、同窓会奨学金は1年生の支援と卒業後のつながりを意識した制度です。学生が相談を必要とする時期は一人ずつ異なるため、教務、学生相談、奨学金、キャリア、卒業生連携が記録と本人同意のもとでつながり、窓口間で取りこぼさない体制が支援の質を左右します。
掲載サイト:キャリアセンター利用案内/在学生向けキャリア支援/学業成績優秀者奨学金/新入生キャリア教育
大学職員の実務として見ると、この五つの特色は一つの部署だけでは実現できません。入試部門が伝えた学びの魅力を、教務部門が履修制度や初年次教育へ落とし込み、学生支援部門が相談や課外活動を支え、キャリア部門が社会との接点と進路形成につなげる必要があります。さらに、IR部門が入学後の学修成果、学生満足度、進路状況を分析し、結果を授業改善や次年度の情報発信へ戻す循環も欠かせません。
ワンキャンパスという物理的な近さを、学部を越えた学びや相談しやすさという実感へ変えられるかが運営上の焦点です。受験生向けの発信を読む際には、キャッチコピーだけでなく、その裏側にある制度、担当部署、参加機会、成果確認の方法まで追うことで、駒澤大学がどのような学生体験を設計しようとしているかを具体的に把握できます。
3キャンパスと学生生活の基盤
駒沢キャンパスは全学部と大学院・法科大学院の教育、各事務局、学生生活の中心です。深沢キャンパスは大学院の講義室、研究室、附置研究所、公開講座等に用いるホールや日本庭園を備えます。玉川キャンパスは全学共通科目の一部と、競技場・体育施設を活用する課外活動の拠点です。
学生相談、健康、奨学金、障がい学生支援、ダイバーシティ、キャリアといった窓口は、規模の大きい大学で学生が支援へ迷わず到達するために相互連携が欠かせません。学生FDや学長ミーティングは、支援を提供する側だけでなく学生の声から改善する仕組みとして読むことができます。
駒澤2030と今後の大学運営
長期ビジョン「駒澤2030」は「自他協創」を掲げ、つながりを大切にして社会変化を乗り越え、自己研鑽を続ける人材の育成を目指します。改革大方針には、高大連携、生涯の成長につながる教育の体系化、禅を軸とする研究の世界発信、社会課題解決、経営基盤の強化が含まれます。
職員の実務では、学生数や学修成果のデータを用いた質保証、分野横断教育、外部連携、DX、施設整備を、理念と財務の双方から優先順位付けする必要があります。画像診断人材教育センターや学生参画型FDは、専門性と組織横断の調整力を同時に求める今後の大学運営を象徴しています。
著名な卒業生・卒業生ネットワーク
駒澤大学同窓会は全国の卒業生をつなぎ、奨学金、表彰、ホームカミングデーなどを通じて在学生とも関係を持ちます。キャリア教育では卒業生が新入生へ大学生活と仕事を伝え、OB・OG訪問の仕組みも整備されています。
卒業生とのつながりは就職支援だけでなく、寄付、地域連携、教育協力、大学ブランドの形成にも及びます。職員には、個人情報と本人同意に配慮しながら、卒業生の経験を在学生の学びへ還元し、卒業後も大学との関係が続く仕組みを整える役割があります。
大学紹介の出典:建学の理念 / 沿革 / 学部・大学院 / 受験生サイト 学びの特徴 / 全学共通科目 / キャリアセンター利用案内 / 在学生向けキャリア支援 / キャンパス紹介 / 学校法人駒澤大学長期ビジョン 駒澤2030 / 同窓会 / 教育情報の公表 / 法科大学院の学生募集停止
大学の基本情報
大学概要
| 設置者 | 学校法人駒澤大学 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都世田谷区駒沢1-23-1 |
| 建学の理念 | 仏教の教えと禅の精神(行学一如・信誠敬愛) |
| 学部 | 7学部17学科 |
| 大学院 | 9研究科15専攻(法科大学院を含む組織数。法科大学院は2023年度以降募集停止) |
| 学部在籍者数 | 14,709人(2026年5月1日現在) |
| 学部収容定員 | 13,584人(2026年5月1日現在) |
| 学部入学定員 | 3,396人(2026年度) |
学部在籍者数・収容定員は大学公式『在籍者数 学部』『収容定員充足率 学部』の2026年5月1日現在、学部・研究科数は大学公式『学部・大学院』で確認した。
主なキャンパス
| 名称 | 所在地・主な機能 |
|---|---|
| 駒沢キャンパス | 東京都世田谷区駒沢1-23-1。全学部、大学院、法科大学院、各事務局、学生生活の中心。 |
| 深沢キャンパス | 東京都世田谷区深沢6-8-18。大学院講義室、研究室、附置研究所、公開講座等の拠点。 |
| 玉川キャンパス | 東京都世田谷区宇奈根1-1-1。全学共通科目の一部、体育・課外活動の拠点。 |
所在地と主な機能は大学公式『交通アクセス』『キャンパス紹介』で確認した。
直近3年の学部入学状況
| 年度 | 入学定員 | 入学者数 | 入学定員充足率 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 3,396人 | 3,511人 | 103.4% |
| 2025年度 | 3,396人 | 3,629人 | 106.9% |
| 2026年度 | 3,396人 | 3,509人 | 103.3% |
入学定員と入学者数は大学公式『入学者推移 学部』で確認し、入学定員充足率は入学者数÷入学定員×100として小数第1位まで再計算した。
この記事の構成
この記事では、駒澤大学に関するニュースを次の7つのテーマに分けて、合計30件を取り上げます。
- 学生参画と教育改善(5件)
- 産学連携と実践型教育(5件)
- 地域社会と課題解決(5件)
- 協定校・地域を結ぶ国際交流(2件)
- 情報研究と社会実装(3件)
- 文化資源と人文学の実地教育(5件)
- 学生支援・キャリア・大学職員の仕事(5件)
各ニュースは、見出しのあとに「実施部局」「発信日」「出典」を示し、「取組の概要」(原則3段落)と「取組に対するコメント」(2~3段落)の形式で記載しています。コメントは、採用する側の視点から、その取組のどこに注目すべきか、実務上はどこが難しいのか、大学職員としてどう関わるのかという観点で書いています。
なお、この記事は2026年1月から2026年10月21日までに発信されたニュースを対象としています。
第1章 学生参画と教育改善
(1)令和8年度「学生FDスタッフ」結成式を開催しました
- 実施部局:学生FDスタッフ・学部FD分科会
- 発信日:2026年6月1日
- 出典:駒澤大学公式サイト
取組の概要
駒澤大学は2026年5月29日、教育改善に学生の視点を取り入れる令和8年度学生FDスタッフの結成式を行いました。募集に応じた13人へ委嘱状を渡し、翌年3月末までの活動を開始しています。
結成式では、大学をより良くするため自由に考えることや、自ら改善へ動く経験の大切さが学生へ伝えられました。通常の授業とは異なる立場で、教職員とともに教育を考える機会です。
学生FDスタッフは、学生の感覚と自主性を授業・教育環境の改善へ反映する役割を担います。大学は学生を意見の提供者にとどめず、改善活動の当事者として位置付けています。
取組に対するコメント
学生13人を教育改善の担い手として正式に委嘱し、学生目線を授業改革へ組み込んだ点が注目されます。
活動を式典で終わらせず、提案、実施、授業評価、改善結果の共有まで年間計画として回すことが実務上の課題です。
この取組を支える事務には、学生と教員の対話を支え、提案を全学的なFD施策へ接続する調整と記録の役割が求められます。
(2)学生FDスタッフと学長・副学長との意見交換会を開催しました
- 実施部局:学生FDスタッフ・学長・副学長
- 発信日:2026年2月27日
- 出典:駒澤大学公式サイト
取組の概要
学生FDスタッフと学長・副学長は2026年2月、学生の視点から教育や大学生活を考える意見交換会を開催しました。学生と執行部が直接話し合う機会として設けられたものです。
学生側は日常の学修やキャンパスで気づいた課題を示し、大学側と改善の方向を共有しました。立場の異なる参加者が率直に意見を出せる対話の場となっています。
この取組は、学生FDで得た提案を大学運営へ届ける経路を明確にするものです。学生参画を教育改善の継続的な仕組みとして育てる狙いがあります。
取組に対するコメント
学生FDスタッフが大学執行部と直接意見を交わす場を設け、教育改善の提案経路を可視化した取組です。
学生の意見を聞くだけでなく、採否の理由、担当部署、実施時期を返し、翌年度に進捗を検証する仕組みが必要です。
職員志望者は、学生参画を広報イベントにせず、意思決定と改善のサイクルへ落とし込む支援業務に注目できます。
(3)「令和7年度 学生が選ぶベスト・ティーチング賞」の表彰を行いました
- 実施部局:学生FDスタッフ
- 発信日:2026年2月19日
- 出典:駒澤大学公式サイト
取組の概要
駒澤大学は2026年2月17日、令和7年度「学生が選ぶベスト・ティーチング賞」の表彰を駒沢キャンパスで行いました。学生の評価を基に7人の教員を選び、企画は学生FDスタッフが運営しました。
同賞は、学生が効果的だと感じた授業方法を顕彰し、その工夫を学内へ共有して教育の質を高める制度です。今回は開始から10年目の実施となりました。
表彰後には受賞教員が授業実践を紹介するFD研修会も開かれました。表彰を個人の栄誉で終わらせず、授業改善の知見を全学へ還元しています。
取組に対するコメント
学生が効果的だと感じた授業を選び、受賞教員の実践をFD研修会で全学共有した点に質保証の具体性があります。
人気投票に偏らない選考指標を公開し、受賞授業の方法が他の科目でも有効かを次年度のFDで検証する運用が重要です。
この取組を支える事務には、選考データの管理、研修運営、実践事例の蓄積を通じて授業改善を継続させる役割が求められます。
(4)村松哲文学長と学部1年生との意見交換会「学長ミーティング」を開催しました
- 実施部局:学長・学部1年生
- 発信日:2026年2月10日
- 出典:駒澤大学公式サイト
取組の概要
村松哲文学長は2026年1月27日、学部1年生7人と「学長ミーティング」を行いました。入学後約1年間の経験を基に、学生から大学の魅力や学生生活を良くする提案を聞く場です。
当日は学長が大学の活動や今後の方針を説明し、学生が率直な意見を伝えました。参加者からは、大学の取組と将来像への理解が深まったという声が寄せられています。
大学は、学生との直接対話を教育環境と学生生活の改善へ生かす方針です。執行部の説明と学生の声を往復させる運営上の取組といえます。
取組に対するコメント
入学後約1年の学生から大学の魅力と改善案を直接聞き、学生生活の質向上へつなげようとした点が特徴です。
少人数の意見を全学生の傾向と混同せず、アンケートや相談記録と照合したうえで、対応状況を学生へ返すことが実務上の要点です。
職員には、対話で得た意見を所管部署へつなぎ、回答と改善状況を学生へ戻すフォローアップが求められます。
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